ABURA博士の食用油navi

(元)油の研究者が発信する正確な油の知識

油の主成分「トリアシルグリセロール」とは

こんちくは、油王子でごわす。

前回の記事では、食用油=トリアシルグリセロール というお話をしましたが、じゃあトリアシルグリセロールってなに???

 

ということで早速解説に参りましょう~!!!

 

 

トリアシルグリセロールをご紹介

トリアシルグリセロールは、一つのグリセリンに3つの脂肪酸が結合した形をとっています。

化学的な図で見ると↓↓↓の通り!!! 

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グリセリンは化粧水など良く入っている保湿成分ですね。

脂肪酸についても、石鹸(脂肪酸ナトリウム)の構成成分となっています。

 

図で見てみると、グリセリンは右側に3つの手(-OH)を持っています。

この3つの手で3つの脂肪酸と手をつなぎます。

この3つの手で手をつないでいる状態こそ「トリアシルグリセロール」です!!!

なお、化学的な説明では上図はグリセリン脂肪酸エステル結合し、トリアシルグリセロールになると表現されます(参考)

 

ちなみに脂肪酸にはたくさんの種類があります。

オレイン酸リノール酸リノレン酸DHAなど耳にしたことがありませんか?

これらはすべて脂肪酸です!

 

様々な脂肪酸→様々なトリアシルグリセロール

つまり、グリセリンはいろんな種類の脂肪酸とくっつくことにより、これまたいろんな種類のトリアシルグリセロールが出来上がります。

 

例えば、オレイン酸リノール酸リノレン酸で構成されたトリアシルグリセロール。

一方、シンプルに3つのオレイン酸だけで構成されたトリアシルグリセロール。などなど。

つまり油の主成分「トリアシルグリセロール」はあくまでも物質の総称であり、くっついている脂肪酸の種類により、色々な種類のトリアシルグリセロールがあるのです。

 

参考にトリアシルグリセロールの簡略図を載せてあります。

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トリアシルグリセロールの種類は何種類あるでしょう???

・・・・脂肪酸のくっつき方で無限のバリエーションがあります!

 

どのような脂肪酸がくっついているか→油の個性になる

 菜種油、大豆油、イワシ油など色々な種類の油がありますが、それぞれ何が違うのでしょうか?(どれも主成分はトリアシルグリセロールです)

ズバリ、くっついている脂肪酸が違うのです!!

(=色々な種類のトリアシルグリセロールでできている)

このくっついている脂肪酸の違いが、各油種の違い、つまり油の個性になるのです。

 

例えば、菜種油はオレイン酸を多く含み(50%以上)、その他、リノレン酸リノール酸を含みます。

一方大豆油は、オレイン酸は少なくリノール酸を多く含みます。

イワシ油はオレイン酸は少ないのですが、DHAを多く含みます。

 

こんな感じで、どんな脂肪酸をどれだけもっているかが油の個性につながります。

 

 

まとめ

トリアシルグリセロール=グリセリン脂肪酸がくっついた物質の総称

脂肪酸にはたくさんの種類がある

脂肪酸のくっつきかたの違い→油の個性に!